【5月3日】 憲法記念日を迎えるにあたって

掲載日:2020.05.03

日本国憲法が施行されてから、今日、5月3日で73年目を迎える。

 

現行憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という三大理念は、平和と繁栄を享受する国家を築き上げ、自由と民主主義を深く根づかせる礎となってきた。

これまでの歩みを重く受け止め、現行憲法の意義と役割を再確認していくことが求められており、「あらゆる国家権力は憲法によって制約される」という立憲主義を守り回復させねばならない。

 

明治維新以来、大日本帝国憲法のもとでは、国民の権利は国の利益の二の次であり、アジア各国へ武力行使を繰り返してきた。その結末が太平洋戦争であり、日本国民で313万人以上、アジア全体でも2000万人以上が亡くなった。また、多くの人が傷つき、親族と離れ離れになり、貧困をもたらした。戦後、この戦争のみならず、全ての戦争がもたらす災いを反省し、そして世界各国で勝ち取られてきた権利を新たな憲法に盛り込んだ。

それが、平和主義を柱とする、日本国憲法である。

 

その後、平和のうちに社会や経済が発展してきたが、太平洋戦争終結から75年を迎え、高齢化と人口減少、実体経済に誰もが良さを実感できない状況、東日本大震災をはじめとした多くの災害で、日常と将来への不安が増している。

さらに、戦前・戦中を経験した貴重な語り部の人達が減っていく中、自由・寛容・博愛・連帯から、専制・偏見・排除・分断といった空気が世の中を覆いはじめている。

 

いま日本国憲法は、大きな危機に瀕(ひん)している。

森友学園問題、加計学園問題、PKOの日報問題等にみられる文書改ざんと隠蔽は、民主主義の根幹を揺るがす非常に深刻な問題である。その問題解決もしない内に、安倍首相は、今回の新型コロナウイルス感染拡大のような緊急事態に対応するため、「緊急事態条項」を設ける改憲の議論をするよう呼び掛けた。

これは、政府の権限を国会の同意なく拡大する条項を設けようとするもので、大変危険であり、許されるものではない。

 

私たち、自治労北海道に結集する組合員は、日本国憲法にも条文がある「地方自治」の最前線で、住民が安心して生涯を過ごせることを第一に仕事をしている。かつてない不安や緊張感の中、奮闘している組合員の皆さんに敬意を表するとともに、今一度、憲法を考える貴重な日としよう。

 

自治労北海道本部

執行委員長 千 葉 利 裕

 

 

※※※ 平和フォーラムは5月3日(日)13時〜14時ごろ、下記のURLにおいてオンライン配信を予定しています

→ https://www.youtube.com/watch?v=yG0pcSFR4h0

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発言予定:※変更の可能性があります

堀潤さん(ジャーナリスト)

古今亭菊千代さん(噺家・真打)

浅倉むつ子さん(法学者、安全保障関連法案に反対する学者の会)

稲正樹さん(憲法学者)