【参加者報告】復帰50年5.15沖縄平和行進

掲載日:2022.05.27

「沖縄平和行進に参加して」日高地方本部書記長 谷口慎平 さん
沖縄が日本に復帰して50年目という節目でこの沖縄平和行進に参加することができたことは、大変貴重な経験となりました。
50年前に米国から日本へ復帰したことは喜ばしいことではありますが、状況が変わっていない事実、基地の島沖縄を目の当たりにしました。実際に普天間基地から嘉手納基地にかけて行進して感じたことは、テレビで見て想像していたものより米軍がずっと近くにあるということです。現在も島の71%が米軍基地で埋め尽くされており、広い米軍敷地と一般の人たちが住む民家が一緒にある光景には見慣れない違和感をおぼえました。このような状況で戦闘機やオスプレイが飛行していては騒音(爆音)になるのは当たり前で、平穏な生活ができないことは明らかでした。ましてや安心・安全が保証されていないとなれば尚更です。
県民大会のなかで「飛行機の爆音ではなく、虫の音が聞こえる生活がしてみたい」という当時17歳の少女の言葉が印象的でした。復帰後50年、未だなし得ていない「基地のない平和な沖縄」を取り戻すために、これからも途絶えることなく訴え続けていかなくてはならないと感じました。
また、今回参加したことにより、沖縄の過去を含め「戦争」について学び直すよい機会となりました。日本で唯一地上戦があった沖縄で起こった惨劇を資料から学び、人から聞くことで「戦争」というものがいかに非人道的で酷いことであるかを感じさせられました。現在もロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、日本においても決して他人事ではないと思います。中国による台湾有事やミサイルの発射実験を繰り返す北朝鮮など、すぐそこに戦禍の火種がくすぶっているという事実を認識して、戦争のない平和を実現するために平和運動を継続して取り組まなければならないと思います。

 

「復帰50年5.15沖縄平和行進」「5.15平和とくらしを守る県民大会」に参加して

自治労北海道本部公共サービス政策部次長 鈴木 栄人

 5月14日、「復帰50年5.15沖縄平和行進」が開催され、全国から約1000人、北海道からは36人が参加しました。宜野湾市民会館を出発し八重島公園まで「基地のない平和な沖縄をつくろう」「辺野古新基地建設を許さない」「静かな暮らしを返せ」「命どぅ宝」などとシュプレヒコールをあげながらデモ行進。途中にある普天間飛行場や嘉手納基地でも抗議行動を行いました。平和行進終了後、北海道団は独自行動として「平和祈念資料館」「ひめゆりの塔」「糸数アブチラガマ」を視察しました。

翌15日には「5.15平和とくらしを守る県民大会」が那覇市・那覇文化芸術劇場なはーとで開催されました。上原邦夫5・15平和行進実行委員会共同代表は「戦後沖縄は『基地の中に沖縄がある』と言われてきた。米軍基地は経済発展の妨げにもなっており、沖縄県の平均所得は日本で最下位である。豊かな暮らしと平和を求めていくため、全国の仲間と連帯してたたかう」と決意を述べました。藤本泰成フォーラム平和・人権・環境共同代表(平和フォーラム)は「沖縄が復帰してから半世紀が経過したが、現状は何も変わっていない。琉球王国の時代には、平和という根底があったから各国との交易で栄えることができたと思う。基地のない沖縄、沖縄のアイデンティティーを再生めざし、最後までたたかおう」と呼びかけました。また、佐藤環樹北海道平和運動フォーラム共同代表が地域報告のなかで「基地問題は沖縄だけの問題ではなく全国の問題である。地域住民に寄り添った運動をともに進めていこう」と訴えました。

今回、私は日本で唯一の地上戦についてあらためて学びました。当時の状況はあまりにも悲惨で、目を背けてしましたくなるような出来事ばかり起こっています。戦争は最大の人権侵害といっても過言ではありません。そのような人権侵害は終戦後も続き、米軍による事故や事件が相次いでいました。こうしたなか誰もが平和に暮らせる社会にするため、平和憲法への復帰を望み、復帰運動が続いています。
現在、沖縄には日本全体のアメリカ軍基地の約70%が集中し、沖縄本島の約15%を占めています。実際にデモ行進で普天間飛行場や嘉手納基地を見ましたが、住宅や学校、病院などが密集した地域に存在しているため、騒音被害など容易に想像することができました。早朝や夜間の訓練はと大変迷惑なことです。また、これまでも訓練時のヘリコプターやジェット機の墜落など多数の事故を起こしています。これらの事故が人口密集地で起きないとは限りません。実際、2004年には米軍のヘリコプターが大学構内に墜落事故を起こしました。
こうした状況を実際に見ると、沖縄が日本に復帰して半世紀が経過した今も、決して安心・安全で暮らせているわけではありませんし、状況は何も変わっていないと思います。基地は沖縄に集中していますが、日本には他にも各地に点在しています。こうした基地問題の根底は日米安全保障条約にあり、あらためて日本とアメリカの関係性を見直していく必要があると感じました。
最後に、基地の問題は沖縄だけの問題ではなく、全国の問題であると思いました。また、今回の参議院議員選挙での争点の一つでもある憲法改正についても、「平和」であることがいかに重要かということも改めて感じました。当時の反省を生かし、将来永劫の平和の願いが込められた憲法を変えさせていけないと強く学びました。