金なんかいらねぇ!大間の海、子どもたちの未来まもりたい=さようなら原発北海道集会

掲載日:2013.06.02

脚本家の倉本聰さんらが呼びかけ人の、さようなら原発1000万人アクション北海道実行委員会が、泊原発の「再稼働」の断念や「大間原発」の建設中止などを求めて、6月2日ニューオータニイン札幌で「さようなら原発北海道集会」を開き1200人が参加した。日曜日の朝にも関わらず、10:30の開始時間には全道から会場があふれるほどの人が集まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

集会には1000人が参加した東京電力福島第1原発の大事故から2年3カ月が経過したが、いまだに収束の見とおしもたたず広大な海、空、大地を大量の放射能で汚染し続け、目に見えない驚異の中で多くの住民が生活や健康、雇用の不安、困難な状況に置かれている。

しかし、安倍政権は、民主党政権による「2030年代原発ゼロ」政策をゼロベースで見直すとして、「原発の再稼働、新増設、輸出」や「再処理路線の継続」に突き進んでいる。

 

 

 

麻田信二さん

呼びかけ人の、北海道生活協同組合連合会会長・麻田さんは、「安倍総理は、海外に原発を売り込みにいっている。倫理観がどうなっているのか腹立たしい想いだ。国民の意識にも危機感を持っている。事故が起きて、原発からの脱却を望んだはずだ。自然再生エネルギーは、長い目で見ると、つきることのない、風、太陽。北電は利益の出る、めさきの取り組みに走っている。原発を亡くした方が電気料金は安くなる。膨大なお金のかかる、原発から出るゴミ処理問題を棚上げにしている。10万年後埋める場所などどこにもない。これ以上核のゴミを増やさないのが私たちの責務だ。北海道の安全な農作物、四季折々の観光がだめになる。自然再生エネルギーを使うデンマークや脱原発を決めたドイツを見習い、日本のエネルギー政策の先頭に立つのが北海道の使命だ。ともにがんばりたい」と訴えた。

 

 

 

西尾正道さん

呼びかけ人の2人目は、北海道がんセンター名誉院長の西尾さんは、「最近、岩手の馬12頭が死んだ。内蔵を調べているが結果は出されていない。しかし、筋肉は2000ベクレルの汚染だった。臓器の汚染が広がっている。私たちには本当の真実が伝わっていない。マスコミで真実が葬り去られている。除染などムダ。海がチェルノブイリになっている。脱放射能!北海道から原発を動かさない!と力を合わせたい」と呼びかけた。

 

 

 

 

 

小野有五さん

呼びかけ人3人目は、北海道大学名誉教授の小野さんが、「泊を廃炉にしないとだめだ。泊の3号機は減価償却と管理費がべらぼうに高い、電気料金の値上げは原発のための値上げ。私たちはごまかされている。石狩のガスタービンがもうすぐできる。そうすれば泊なんかいらなくなる。私たちは、もっと声をあげて、原発をなくすために力をあわせよう」と呼びかけた。

 

 

 

 

小笠原厚子さん

特別報告は、大間の「あさこはうす」を守っている小笠原厚子さん。

「まぐろの海、大間の海守りたい。その思いで母は、用地買収を門前払いしてきた。私が意志を引き継ぎ、子どもの心を育て、感性を育てる場所、子どもたちを守るための環境づくりをしたい。日本だけの問題じゃない。大間の建設をどんなことをしてでも止める。母は、『この海の恵みをうけて暮らしたいだけだ。原発ができれば、海が汚れる。金でねぇ!安心した生活があればがまんできる原発はいらねぇ」と言っていた。私たちひとり1人が動けば変わる。枝葉を広げて、原発を動かさないためにがんばろう」と強く呼びかけた。

大間原発と「あさこはうす」=昨年10月建設工事の再開が強行された、フルMOX燃料を使用する青森県の大間原発。その敷地内の未買収の土地がある。ほぼ毎日人権を無視した執拗な用地買収の説得を受けた。小笠原厚子さんのお母さんである、熊谷あさ子さんは、用地買収を拒否しつづけた。そのため建設予定が大幅に遅れた。本来であればもう大間原発はできていたのだ。熊谷さんは、そこに「あさこはうす」を建てた。炉心から100mの距離。小笠原さんはその意志をつぎ、そこを守り、大間原発建設反対を訴えている。

 

 

渡邉恭一さん

福島県から自主避難している「みちのく会」副会長の渡邉さんは。「1人の親として、また、福島で何が起きたのか伝えたい。震災の次の日、原発は爆発した。避難区域はどんどん広がった。3月15日の夕方のことは一生忘れない、気持ちの悪い雪が降った。24マイクロシーベルトだと発表された。やはり汚染物質がはいっている雪だった。泊で…同じことが起きる可能性がある。4月上旬には普通に小学校がはじまった。日本という国に期待できなくなった。中1の長男がネットで調べて『父ちゃん避難しようよ!」と言った。後悔したくなくて、6月15日札幌に避難してきた。札幌では、みんなが普通にくらしていた。私たちは3カ月で福島から出てきたからまだいいがずっとすんでいる人がいる。苦しく、胸がつきささる。今回のことで、子どもたちに何が残せるのか本気で考えるようになった」と報告した。

 

 

 

 

久世薫嗣さん

核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会代表委員の久世さんは「政府は、7月21日の選挙が終わったら使用済み核燃料受け入れ地の募集をはじめるつもりでいる。大間、泊、最後の後始末としての核のゴミ。北海道民が何もいわなかったら北海道は破滅させられる。どんな小さなことでも力を合わせたい。小笠原さんの活動を、カンパ、物、力で結集し、大きな流れを変えて、新しい地平線を見よう!」と訴え報告した。

 

 

 

 

 

 

最後に、集会アピールを採択し、札幌市内を「子どもたちを放射能から守ろう、泊原発の再稼働を止めよう、大間の建設をやめさせよう、自然エネルギーに変えよう」と市民に訴えデモ行進した。

福島原発事故は、私たちに、あらためて「核と人類は共存できない」ことを認識させ、これからの社会のあり方や生き方を問いただしています。私たちは命とくらしを守るため、子どもたちの未来のために、脱原発を実現し自然エネルギー中心の社会をつくり上げていきましょう。