泊原発を廃炉にし、大間原発の建設を中止する、幌延の地層処分をやめる決断を=高橋知事へ「原発のない北海道の実現をめざす『全道100万人』署名提出

掲載日:2014.03.14

3月14日、「さようなら原発1000万人アクション北海道」実行委員会が、高橋北海道知事に対し、「原発のない北海道の実現をめざす『全道100万人』署名」の提出を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに、呼びかけ人小野有五さんが「全道にむけて、原発のない北海道を一日も早くめざすとして、署名活動を行い、本日までに638,666筆の署名を集めることができた。それを今日、高橋知事に提出させていただいた。本来なら高橋知事に出席いただいて、直接手渡したいという事が、署名をいただいた方々の思いなので、大変残念だ。原発は北海道の未来を決めてしまう重要な事だ。泊原発事故を起こせば、北海道のすべての産業が無くなってしまう。私たちが生きていくことすらできない。我々の切なる願いを知事に伝えていただきたい」と述べた。

また、「3・11から3年経過したが、汚染水がいまだに流れ続け、放射能も出つづいている。福島第一原発は太平洋側で、放射能の80%が太平洋へ流れ、20%で14万人以上の福島県民が故郷を失いさまよっている現状だ。泊原発は西側で北海道の風上にある。泊原発が事故を起こせば、札幌市民も非難しなければならない厳しい状態置かれている。また、全道も風下となるため、農業・水産業・観光すべてがだめになる。重大な問題と認識している。それに対し、知事は何も答えない。ぜひ、我々が行った署名を見て、一日も早く泊原発を停め、廃炉にすることを決断して頂きたい」と述べた。

最後に、「大間原発はモックス燃料を使う初めての原発・極めて危険な原発だ。函館市が30キロ圏内にあるので、知事から建設中止の要請をしていただきたい。原発は事故を起こさなくても、危険な核のゴミを出す。そのゴミが安全になるまで10万年かかる。日本は、変動対の上にあるため、どこを掘っても地層処分はできない。このことも、知事にお伝え願いたい。道関係者の皆さんに、泊を廃炉にし、大間の建設を中止する、幌延の地層処分をやめる決断をしていただきたい」と訴えた。

 

その後、泊原発再稼働しない事、大間原発の建設中止を関係機関にようせいすること、核のゴミの最終処分場は受け入れない事、原発ゼロ社会の実現に向け再生可能な自然エネルギーを積極的に導入することの4点に対して、道の考え方について発言を要請した。

 

これに対し道側は、「泊原発は現在全部停止中。昨年7月に規制基準の審査のめどが立っていない状況。原子力規制委員会は厳正な審査を行うべき。結果について、地元に説明するよう考えている。再稼働について、安倍政権は、審査を通ったら地元の理解を得て稼働させたいと言っている。稼働には、安全性・必要性があるので、国が責任を持って判断してほしいと考えている。地元の同意手続きは法令上決まっていないので、手続きをどうとるのか国として明らかにしてほしいと要望している」と述べ。「大間原発については、24年9月に国の見解として、許認可が出たところは新増設には当たらないとし、再開となったが、十分な説明がなかったため、同議会でも決議が出され、抗議をした。大間の安全性・必要性が明らかになっていないので、説明するよう要請している。工事再開には抗議している。大間原発の必要性、政策上の位置づけを明らかにするよう求めている。また、電源開発には、安全性の対応などを地元に説明するよう求めている。国・事業者には、丁寧な説明、厳正な審査を求めている」と述べた。

また、「処分場について、高レベル放射性廃棄物の扱いについて、エネルギー基本計画の政府原案は国が進めるとなっている。科学的に適正と考えられる地域を示し、科学的見地から説明し立地への理解を求める。高レベル放射性廃棄物の取り扱いについては、国として国民に説明することが必要と考えている。道として、平成12年に制定された「特定放射性廃棄物に関する条例」があるので、持込みには慎重に対処し、受け入れがたいと宣言している。条例を順守する。再生可能エネルギーについて、北海道は再生化のエネルギーの宝庫だ。再生可能エネルギーが、エネルギー源として認められることが重要で、北海道内で企業を呼び込み、配置できるような取り組みをしていきたい。新エネルギーの基本的な導入方法をもとに、目標数値を出している。地域と連携していきたい」と述べた。

 

最後に、小野さんが「原発再稼働の条件として、規制委員会がやっているが、人命が一番大事。道民の命を守ることができなければ、何の意味もない。知事として、道として、避難計画を立てられないようなものは無理だ。福島原発事故で、放射性物質は30キロ圏内にとどまらない。札幌も圏内だ。避難計画をきっちり作ってほしい。昨年の避難訓練も、地震が起きたとしたが、がけ崩れがない、道路などの状況が何も変化がない中での訓練だった。ありえない状況での避難訓練だった。本来、一番厳しい条件のもと、真冬の吹雪の条件のもとでの訓練をしたら、高齢者や、障害者の方々が安全に避難できるのか、道としてしっかり検証して、国との議論に臨んでほしい」と訴えた。