「参議院本会議における「戦争法案」強行採決・成立に対する自治労北海道本部抗議声明」

掲載日:2015.09.24

9月19日未明、戦後70年の日本の平和主義を覆す「戦争法案」が、参議院本会議において強行採決され、成立しました。この歴史的暴挙に対し、道本部は以下のとおり、満身の怒りを込めて強く抗議します。

 

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参議院本会議における「戦争法案」強行採決・成立に対する抗議声明

 安倍政権は9月19日未明、多くの国民の反対の声を無視し、国会審議も不十分なまま、参議院本会議において集団的自衛権行使を可能とする「平和安全法制整備法案」および「国際平和支援法案」の、いわゆる「戦争法案」を強行採決・成立させた。国民不在の独裁的政治により立憲主義・民主主義を破壊し、また、日本が戦後約70年にわたり「戦争は二度としない」と憲法で誓い、平和国家として歩んできたなかで得た国際社会からの信頼と憲法そのものの理念をも根底から覆す暴挙に、満身の怒りを込めて強く抗議する。

安倍首相など関係閣僚は、歴代政権が「違憲」と堅持してきた集団的自衛権行使の憲法解釈を一方的に変更して「合憲」と主張し、野党からの厳しい追及に対し、参議院においても衆議院と同様、「憲法9条の範囲内だ」との従来の答弁をひたすら繰り返すという姿勢に終始した。

そればかりか、憲法審査会や公聴会の場において、多くの憲法学者や元内閣法制局長官などが相次いで「憲法違反」と断じて撤回を求め、さらには「憲法の番人」と言われる最高裁長官経験者すらも「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と強く批判したが、安倍首相はまったく耳を傾けようとはしなかった。

また、法案の国会提出にあたって安倍首相自身が掲げた「中東ホルムズ海峡での機雷掃海」について、首相は「現実問題として具体的に想定しているものではない」と自ら否定するなど、法案の必要性に関わる論拠は完全に破たんしてしまっており、そもそも国会審議に耐えられる法案でないことは明白である。

こうした独裁的で傲慢な国会運営と論拠の破たんした法案に反対する世論は日ごとに高まりをみせた。この間、全国各地で学者や弁護士、学生や若者、女性とりわけ子育て世代や戦争体験者など、多くの市民が「戦争反対!」と大きく声をあげ、8月30日には国会前に12万人が詰めかけた。道内においても各地で集会・デモが行われ、参議院審議の山場に札幌市・大通公園で連日にわたり行われた「戦争をさせない総がかり行動」には、日を追うごとに多くの市民が参加した。

安倍首相は、参議院特別委において法案への国民の支持が広がっていないことを認めながらも、「法案が成立すれば国民の理解は広がる」として一方的に審議を打ち切り、採決に踏み切った。「成立さえしてしまえば何とでもなる」といったような国会軽視・国民軽視の安倍政権の姿勢は、断じて許されるものではない。

安倍政権が次に目論むものは、憲法改正である。その本質は、戦争をできるための国家権力の拡大と国民の権利縮小に他ならない。自治労北海道本部は、「戦争法案」強行採決・成立に対しあらためて強く抗議の意を表するとともに、引き続き戦争をさせない北海道委員会や連合北海道に結集して「戦争法案」廃止・撤回にむけた取り組みを進め、「安倍政権退陣・憲法改正発議阻止」のため、来年夏の参議院選挙闘争勝利にむけて組織の総力を挙げてたたかう。

2015年9月19日

自治労北海道本部