「写真で伝える世界の今ー戦争の爪痕から逃れて」12.8北海道集会が開催されました。

掲載日:2016.12.09

 12月8日、「War is over ! 12.8 北海道集会」が開催され、約350人が参加した。当集会は、太平洋戦争開始日と語り継がれている12月8日に、過去の悲惨な戦争の歴史を継承し、二度と戦争を繰り返さないために、毎年開催されている。
 今年は、講師にフォトジャーナリストの安田菜津紀さんを迎え、「写真で伝える世界の今ー戦争の爪痕から逃れて」と題し、カンボジアやヨルダン等の難民キャンプで出会ったこども達との会話や現地実情を写真をもとに講演した。

 難民キャンプでの取材と撮影を重ねる中で安田さんは、「写真では直接的に命を救うことはできない。もしも医者になるという選択を、もしもNGOで働く選択をしていたら、多くの命を救えていたかもしれない」と悩んだ経験を語った。そんな中、現地の方からかけられた声として、「これは役割分担なんです。NGO職員は、ここに踏みとどまって、人に寄り添ってずっと活動することができるかもしれない。だけどここでなにが起きているのかを世界に発信するのは難しい。安田さんは、ここに通い続けて、世界に発信することができる。これは役割分担なんです。」と紹介した上で、「一人の人間が全部の役割を果たしていくのはできない。少しずつ、できることを、その役割を持ちより合うことが大切だと感じた」と語った。さらに、「あなたがもし沈黙してしまったら、世界はどうなると思う?その沈黙が集まった世界こそ、いまの世界なんじゃないか。私たちが持ちよれる、一番身近な役割は、沈黙をしないこと、声を上げていくこと、それを共有して伝えること。どんな声を持ちよることができるのかを、これからも一緒に考えていきましょう」と語った。

 集会の最後に、集会実行委員会の林共同代表は、「難民とは何か。普通の市民が平和を破壊されて難民になっていく。日本は平和な国だが、将来も平和とは限らない。戦争法で、戦争に対するハードルが低くなった。このままでは、日本も難民を生じさせる国になりかねない。難民問題を通して、戦争が起こればどうなるのか、平和がいかに大切かを学習した」と挨拶をされ集会を終えた。